FT701Wのファームウェアの中身

Frontier のサイトで FT701W のファームウェア (FT701W-005)が公開されていたので、アップデートのついでに中身を覗いてみました。

$ unzip -lv ota_package.zip 
Archive:  ota_package.zip
signed by SignApk
 Length   Method    Size  Ratio   Date   Time   CRC-32    Name
--------  ------  ------- -----   ----   ----   ------    ----
   57065  Defl:N    21258  63%  02-29-08 02:33  2070b1b3  META-INF/MANIFEST.MF
   57118  Defl:N    21488  62%  02-29-08 02:33  6afdc955  META-INF/CERT.SF
    1714  Defl:N     1155  33%  02-29-08 02:33  2b96ae05  META-INF/CERT.RSA
     118  Defl:N      105  11%  02-29-08 02:33  ea0aa2cb  META-INF/com/android/metadata
  215948  Defl:N   140708  35%  02-29-08 02:33  dcb8bcf9  META-INF/com/google/android/update-binary
    3314  Defl:N      803  76%  02-29-08 02:33  edb9b63e  META-INF/com/google/android/updater-script
 4435968  Defl:N  4403885   1%  02-29-08 02:33  25ee0257  boot.img
  175328  Defl:N    92995  47%  02-29-08 02:33  73e08c28  bootloader
 2752512  Defl:N     9833 100%  02-29-08 02:33  df1f09f3  logo.img
 4677632  Defl:N  4646067   1%  02-29-08 02:33  ce06f5a1  recovery.img
     547  Defl:N      281  49%  02-29-08 02:33  3809e44c  recovery/etc/install-recovery.sh
   82833  Defl:N    82619   0%  02-29-08 02:33  56e29312  recovery/recovery-from-boot.p
   96233  Defl:N    79921  17%  02-29-08 02:33  45e3cc56  system/app/AccountAndSyncSettings.apk
   14925  Defl:N    13329  11%  02-29-08 02:33  e6a694f3  system/app/ApplicationsProvider.apk
  141922  Defl:N   112533  21%  02-29-08 02:33  8851576b  system/app/Bluetooth.apk
(省略)
    4310  Defl:N     1036  76%  02-29-08 02:33  bbf50b9f  system/xbin/wifi_test.sh
     119  Defl:N       96  19%  02-29-08 02:33  8b6d59b2  system/xbin/wifi_unload.sh
   21320  Defl:N    10669  50%  02-29-08 02:33  71a61e63  xloader
--------          -------  ---                            -------
202375195         106553229  47%                            678 files

まず気づいたのは、ZIP ファイル自体に署名が施されています。ZIPに署名ってできたんだ。知らなかった。

トップディレクトリに目をやると、xloader, bootloader と OMAP の bootloader 系ファイルがあります。bootloader の中身を見ると、u-boot のようでした。Pandaboard と同じですね。

あと、boot.img, recovery.img は Linux kernel のようです。通常用とリカバリ用でしょう。

system/ 以下は system パーテーションがまるごと全ファイル入っているようです。それに引き換え、recovery/ はパーテーションに対して(?)のバイナリ差分が置かれているようです。recovery パーテーションを書き換えてしまうと、アップデートに失敗しそうです。

bootloader を覗いていて気になったのは、「fastboot」という単語が目についたこと。u-boot に fastboot の機能が入っているみたいです。

fastboot が使えれば USB 経由で簡単にシステムイメージを書き換えられるみたいなので、どうにか使えないか試してみようと思います。

Androidタブレット FT701W 買いました

ここのところなぜか無性にAndroidタブレットが欲しくて、低価格のものがないかいろいろ探していたのですが、先日某大型掲示板に格安情報が載っていたので、勢いで買ってしまいました。

 
Androidタブレット買いました 

FRONTIER製のFT701Wという機種です。ヤマダ電機で新品が広告の品で14,800円でした。日本のメーカー製なのに、中華pad並の価格だったので飛びついてしまいました。

主なスペックは以下のとおりです。

OS  Android 2.3 
CPU Texax Instruments OMAP4430
Coretex−A9 Dual Core 1GHz
 メモリ 512MB 
 内蔵ストレージ 8GB 
 LCD 7インチ 1024×600 
 外部端子 ヘッドホン端子 x1, microUSB x1,
microHDMI x1, microSD カードスロット
 無線LAN IEEE802.11a/b/g/n 
 Bluetooth v2.1 + EDR 
 センサ 加速度センサ、ジャイロセンサ、照度センサ、
地磁気センサ(コンパス)、GPS 
 その他 NFC、赤外線送信機能付きクレードル 

CPUはPandaBoardと同じOMAP4430 です。センサもひと通り揃ってます。

下面に各端子があり、右側に電源スイッチがあります。 

下面から見たところ
下面から見たところ  (左からヘッドホン, microUSB, microHDMI, microSD) 

ウラ面はこんなかんじです。

ウラ面から見たところ
ウラ面 左下に NFC リーダ?がついてます

面白いところとしては NFC 付きです。たぶん使い道はないでしょうけど ^^;

私にとっては Softbank X06HTII以来、2台目のAndroid機です。X06HTIIはメインの携帯ということもあり、root化はしていなかったのですが、タブレットはおもちゃとして色々いじってみたいと思います。

さて、この機種はあまりレビューを見かけないので、簡単に印象を書いてみようと思います。

動作 

まず、動作ですが、個人的には十分キビキビ動いてくれてると思います。高性能タブレットを触ったことがないので、完全に個人的な印象ですが。

普通に、ネット、メール、電子書籍リーダとして使う分には、十分です。

LCD 

液晶は視野角は特別狭くはありませんが、上下方向は明るさの変化の傾向が非対称(上から見ると暗く、下から見ると明るく見える)なので、縦持ちすると若干違和感があります。

ですが、個人的には十分慣れられるレベルです。横持ちでは全く違和感ありません。

バッテリ 

電池の持ちは結構いいと思います。特にスリープ中の放電が少ないのがイイです。朝、満充電の状態で Wifi, Bluetooth を OFF にしてスリープさせ、夕方レジュームさせたら電池残量は 97% でした。

その後 Wifi を繋げながら、1時間くらいいじっても 90% 残ってました。

動画やゲームなどをしなければそうそう電池は切れなそうです。

Market 非対応 

個人的には十分満足な買い物だったのですが、やはりAndroidマーケットに対応してないのはイタイですね。デフォルトで入っている Topnow Market もあるにはあるのですが、いかんせんアプリが少なすぎます。

なので、ゴロ寝ブラウザ用など用途が絞られている人向けですね。サブ用には結構イイと思います。

後述しますが root が取れるようなので、入れる気になれば公式マーケットも入れられますが、いけないことなのでそこは個人の責任で。 

GPSがほとんど使えない 

センサをひと通り使ってみたんですが、GPSは感度が悪く、ほとんど使い物になりません。高い建物のない空の開けた場所でやっと受信できる程度です。

ナビなどの用途には向いていません。 

root は取れるらしい 

2ch の FT701W スレッド によると、どうも root も取れるようです。

 

root が取れるといろいろできそうなので、いろいろいじってみたいと思います。

4up 小冊子印刷PDFの作成

前回の製本の際に作成したスクリプトを公開します。

動かすには perlの他に、pdfinfo, pdftk, pdfjam コマンドが必要です。Ubuntu 11.10であれば、以下のコマンドでインストールできます。

$ apt-get install pdftk pdfjam 

Ubuntu 11.10 の場合は、pdfinfoは元々入っていました。 

使い方はアーカイブを展開すると作成される 4up-booklet ディレクトリに移動して以下のように実行します。

$ ./4up-booklet.pl [-r] 入力PDF 出力PDF

-r オプションは後述します。 

A4のpdfファイルを渡すと、以下の図のような 4up された小冊子印刷用の A3 PDF が出力されます。 

この出力されたPDFを長辺綴じで両面印刷して、A5サイズに断裁すれば、A5サイズの本が作れるようになっています。

また、断裁はA4サイズに留めて、中央でホチキスで止める中綴じもできるようなページ割になっています。 

 

-r オプションを指定すると 4up 時に左右を入れ替えことができます。こうすることで、縁取り印刷できない印刷機でも、縁ギリギリまで印刷できるようになります。ただ、いくつかデメリットもあります。

  • メリット
    • 縁まで印刷できる (左右のみ)
  • デメリット
    • 中綴じはできない (A5まで断裁が必須)
    • 断裁面が本の腹になる
      • 刃こぼれなどで断裁面が汚いと見栄えが悪い
      • 断裁面は刃の汚れがついて汚れやすい

実は、ページ割が間違っていて前回の製本がたまたま左右逆になっていたんですが、これはこれでアリだったのでオプション化したものです。 (^^; アブナイアブナイ

最後に注意事項ですが、ページ割がおかしいこともあるかもしれないので、使う際には試し印刷をすることをお勧めします。製本時に大量に印刷してからでは失敗時の被害も大きいので、確認した上で自己責任で使ってください。 

また、これは左開き(横書き)を前提に作ってます。-r オプションをつければ右開きにも対応するような気はしますが、確認してから使ってください。

電子書籍の製本に挑戦

みなさま明けましておめでとうございます(遅っ!)

気づいたら今年初のブログエントリになります。今年も力を入れすぎずマッタリ行きたいと思います。

また、管理者不在中に別の方の質問に回答してくださった、みじまさん、ありがとうございました! 

さて、本題の製本です。

最近、印刷可能なPDFで技術書を購入したんですが、技術書という性格上、どうもPCだけでの閲覧は不便なことが多いので、紙で閲覧したいと思うようになりました。

特に今回は洋書なので、英語が苦手な私としては、分からない英単語の訳を書き込んでいきたいという別の意味もあり、印刷することにしました。

それっぽいキーワードでググった所、人力検索はてなの「PDFファイルの印刷と簡易製本をしたいのですが…」という質問に対する答えのNo.3に参考になる情報がありました。

印刷代を安上がりにするため、1回り大きいサイズ(A4に出力するならA3)の紙に小冊子印刷で両面印刷し、半分にカットして製本するというもの。印刷代が約半分になるので非常に経済的。

また、レーザープリンタを貸してくれる所や、個人でも1部から出力してくれる印刷業者があることも知りました。 

色々なサイトを参考に私も製本してみました。ただし、私の場合は印刷代を更にケチって4up (A3を1/4にカットしてA5サイズの本にする)で印刷してみました。

1. データの用意

今回印刷したい本は洋書のためか、A4などの規格とは違う独自の大きさのため、印刷業者に渡して印刷する際のトラブルを避けるため、A4規格に合わせてから4upにします。

Ubuntu などの Linux OS では印刷する際に、PDF形式でファイルに出力することができますので、この機能を使ってA4形式のPDFに印刷出力します。

Acrobat Readerでは PostScript 形式でしか出力できないので、UbuntuでPDFを開くときのデフォルトである「ドキュメントビューワ」でPDF(独自サイズ)→PDF(A4)に出力しました。

2up での小冊子印刷なら、この時に小冊子印刷を選ぶだけでデータの用意は完了です。

しかし、4up での小冊子印刷など対応しているわけがないので、pdftk と pdfjam を使って4up 小冊子印刷用にページ割をするスクリプトを作りました。

こういう個々のツールを組み合わせて新しいツールを簡単に作れるというのがLinux/Unixならではですね。

このスクリプトに関しては別記事で公開したいと思います。

2. 印刷 

安い印刷業者(出力センターというらしいです)を探した所、アクセアという会社がA3モノクロ印刷 1面 9円 + 1ファイル 100円と安めだったので、ここにお願いすることにしました。

 4upしたPDFは90ページ(両面印刷して45枚) だったので (9 * 90 + 100) * 1.05 = 955円なり。

今考えてみると、セブンイレブンのマルチコピー機でPDFを出力したほうが安かったかもしれません。A3サイズでも10円で出力できるので 900 円で済みます。

印刷結果の写真を取るつもりだったんですが、すっかり忘れてました・・・。 

3. 断裁&製本

A3 で出力したものを Fedex kinko’s に持って行きます。ここでは 1 カット 100円で断裁してくれ、製本もしてくれます。

ちなみに、Fedex kinko’s でも印刷することができますが、ちょっと割高です。PCを借りて自分で印刷することで割安にできますが、モノクロ 1 面 11 円と単価が高く、PCレンタル代が200円以上かかります。

まず、A3→A5で2カットしてもらい、一度返してもらってページ割が正しくできているかチェック。自前のスクリプトでページ割したのでちょっと不安だったんですが、正しくページ割できていました。 

製本の種類はくるみ製本とリング製本(どちらも税抜 320円)でちょっと悩みました。

見栄えや、本の強度的に一番いいのはくるみ製本なのですが、今回の用途として本を見ながらPCに打ち込んだり、紙面に書きこむことを考え、180度開いて勝手に本が閉じたりしないリング製本にしました。実用性重視!!

4. 完成!

そして完成品はこちら。

ちょっとリングがでかい気がしますが、この厚み(2cmくらい)なので仕方ないですね。それに見た目より実用重視ですから。リングはたしか白・黒・青の3色から選べたと思います。

中身はモノクロですが、セブンイレブンでカラー出力(50円)していた表紙を一番上に載せ、製本してもらいました。

また、写真では分かりにくいですが、表紙の保護のため半透明のシート(クリアファイルのような素材のもの)を表に1枚追加してます。税抜100円

裏側はこんな感じ。

 

裏表紙としてクリーム色の厚紙を追加してもらいました。こちらも税抜100円。

リング製本なので180度安定して開きます。

リング製本は本棚にしまうときに邪魔になるので、ひと通り読み終えたらくるみ製本で製本しなおそうかと思ってます。

ただちょっと失敗したのはコレ。

  

ページ番号がリング製本の穴に撃ちぬかれてしまってます。右側のページ番号は読めるので特に困らないですが。

ちなみにこの本は、見開きを意識したページレイアウトになっておらず、どのページも右上にページ番号が書いてあります。

まとめ

全386ページある A5 の本を製本するのにかかった金額は以下のようになりました。明記がない金額は税抜きです。 

  • 印刷  –  小計: 955円 (税込)
    • 1ファイル手数料: 100 円
    • A3モノクロ印刷:  9円 × 90面= 810円
  • 断裁・製本  –  小計: 651円 (税込)
    • 断裁: 100円 × 2カット = 200円
    • 表表紙・裏表紙: 100円 × 2枚 = 200円
    • リング製本: 320円
  • 表紙印刷
    • カラー印刷: 1枚 50円 (税込)

合計:1656円!!

個人で1部のみの製本としては、かなり手頃な値段じゃないでしょうか。印刷をセブンイレブンでやっていれば、1601円ですね。

あと、製本が思いのほか安くできることがわかったので、書籍を断裁→自炊(スキャン)→再製本というのもありだなと思いました。アクセアのくるみ製本のサンプルのページのように、表紙データさえうまく作れれば見た目にも遜色ない本に仕立てられると思います。

初めて挑戦したにしては出来栄えも個人的には満足です。製本して満足せずにちゃんと中身も読まないとな・・・(^^; 

ポケットガイガーKIT

知人から iPhone や iPod touch で放射線量を計測できる線量計のポケットガイガーKITをいただきました。

RADIATION WATCHというサイトで3500円という破格で販売しています。

ガイガーミュラー管を使っていないので、正確にはガイガーカウンタではないらしいのですが、私たち一般人には線量計=ガイガーカウンタという認識だと思うので、悪くないネーミングだと思いました。

KITと言ってもハンダ付けなどは不要で、遮蔽シートとシールド用のアルミシートを巻くくらいの簡単な工作です。(現在はこれらの作業も終わった状態で販売されているようです)

で、完成したのがこちら。

ポケットガイガーKIT作りました 
ポケットガイガーKIT作りました

反対側 
裏はこうなってます 

ご覧の通り上はFRISKのケースでなっていて、下の黒いのは006Pの電池ボックスになっています。 

本家サイトを見てもらうとわかりますが、私がアレンジしたわけではなく、本当にFRISKのケースを使って作るものです!

コスト削減と、遊び心の両方があってとてもウマイと思いました。たしかに誰もが簡単に入手できて、それなりに剛性がありつつ加工も容易で、程よい大きさのケースとしてFRISKはぴったりですね。

この装置を iPhone, iPod touch のイヤフォン端子に接続します。マイク入力を使うようです。

早速部屋の中の線量を測ってみました。

線量測定中
線量測定中  (ポケガイガーの有料アプリ版を使ってます)

測定結果はこんなかんじでした。

計測結果 
測定結果

大体 0.04uSv/h のようです。全く問題にはならないレベルではないかと思います。

測定アプリは無料の「ポケガイガーLite」と有料の「ポケガイガー」の2つがあります。無料版はこんなかんじの画面です。

ポケガイガーLite
ポケガイガー Lite 版 

低価格で手軽に測定できるポケットガイガーですが、気を付けなければならないこともいくつかあります。

一番の注意点は、測定に10分近くの時間がかける必要があること。安価に作るため、元々線量測定用途ではないフォトダイオードを使用しているので、放射線に対する感度が悪いようで、その分正確な結果を得るには測定に時間がかかります。 

また、uSv/h の値はセシウム137に合わせてあるらしく、別の放射性物質の場合は実際の値と異なるそうです。 

ですが、手軽に、安価に放射線量を測定できるのは便利ですね。