友人に頼まれてピッチ変換基板を作ることになったので、その記録を書いておこうと思います。
個人でも安価に試作基板を作ってくれるサービスとしてブルガリアの会社 OLIMEX が有名ですが、今回は中国の Fusion PCB に頼んでみました。
簡単に比較すると以下のような感じです。
Olimex
- 値段:
- 160mm x100mm 両面 €30.00 (1〜4枚の価格) + 送料 €5.50
(€1 = 109.3 円換算で 3877円/1枚)
- 160mm x100mm 両面 €30.00 (1〜4枚の価格) + 送料 €5.50
- 最小枚数: 1 枚
- 最小パターン幅: 8mil
- 最小パターン間隔: 8mil
- 最小アニュラリング幅: 8mil
- 最小シルク幅: 10mil
Fusion PCB
- 値段:
- 50mm x 50mm x 10枚 $9.9 + 送料 $4.1
($1 = 82.8円換算で 1159円/10枚) - 100mm x 100mm x 10枚 $24.9 + 送料 $8.1
($1 = 82.8円換算で 2732円/10枚) - 150mm x 100mm x 10枚 $69.9 + 送料 $0 ($50以上で送料無料)
($1 = 82.8円換算で 5788円/10枚)
- 50mm x 50mm x 10枚 $9.9 + 送料 $4.1
- 最小枚数: 10 枚
- 最小パターン幅: 6mil
- 最小パターン間隔: 6mil
- 最小アニュラリング幅: 6mil
- 最小シルク幅: 4mil
OLIMEX でも十分安かったのですが、Fusion PCB では基板 10 枚でこのお値段! 50mm x 50mm に収まってしまえば、1枚 120 円程度で作れてしまいます。
しかも、Olimex よりも詳細なパターンが作成できますし、追加料金無しでウラ面のシルクも可能です。
今回は1.27 mmピッチ(ハーフピッチ)の DIP (表面実装ではなく、ピン形状)から 2.54mm ピッチへの変換だったのですが、ハーフピッチのホールが 0.7mm とすると、
Olimexでは
- ピン穴 0.7mm (27.56mil) + アニュラリング 8mil × 2 + パターン間最小間隔 10mil
= 53.56mil
となり、ハーフピッチのピン間隔の 1.27mm(50mil) に収まりません。
fusion PCB では
- ピン穴 0.7mm (27.56mil) + アニュラリング 6mil × 2 + パターン間最小間隔 6mil
= 45.56mil
なので、3mil ほど余裕があります。
というわけで、EAGLE で適当に基板をでっち上げてみました。
ピッチ変換基板のガーバーデータ
ピッチ変換だけではもったいないので、空いている領域をスルーホールのユニバーサル基板にしてみました。
EAGLE は今回初めて使ったのですが、結構操作性にクセがあり慣れるまでイライラします。とはいえ、Linux でも動いてくれるのは非常にありがたいです。
上記のガーバーデータの確認には、gerbv というビューワーを使いました。Ubuntu のパッケージに存在するので、apt-get install gerbv ですぐ使えます。
最近ではこういう用途でも Linux 上で完結できるんですね。素晴らしい。便利になったものです。
Fusion PCB への注文は以下のサイトが参考になりました。
大まかに以下のような流れになります。
- Fusion PCBのサイトで基板サイズなどを指定してサービスを購入
ここでオーダー番号が発行される。 - シルクにオーダー番号を入れて、ガーバーデータを作成
- ガーバーデータを圧縮し、オーダー番号と共にメールで送信
シルクにオーダー番号を入れると処理が早くなるそうです。必須というニュアンスではなかったので、入れなくても処理してくれそうですが、今回は念の為入れておきました。
3/20 に注文したので届くのは 4月上旬かな? どんな出来になるか楽しみです。