ジャンクMSXを買いました

ヤフオクでジャンクMSXを購入しました。Panasonic製のFS-A1というFDDのないMSX2です。

FDDありとなしとではヤフオクの価格がだいぶ違いますようです。FDDなしのMSX2だと1万円くらい、FDDありだとMSX2でも1.5万〜2万くらいしますね。

しかも、この FS-A1 の電源アダプタは特殊で、AC18VとDC9Vという聞いたことがない3端子のものですが、今回はアダプタなしのものを買ったのでかなり安く購入することができました。

この FS-A1 を選んだ理由の1つは、解析されて回路図が公開されていることでした。そのサイトはすでに閉鎖されているのですが、archive.org で回路図を取得することができます。先人の偉業に感謝。

また、MSX界隈では有名人のにがさんのHPで、FS-A1の電源を単電源化する改造方法が載っていたので、これを参考に電源周りも改造しようと思っています。

今回の目的は修理できるようなら修理して使い、修理できなかったらROMの吸い出しと主要な部品を取り外そうと思っていたので、起動すればラッキーという感じで購入してみました。

購入したMSXがこちら。約8000円くらいでした。

なつかしい・・。Panasonic製のMSX(FS-A1WSX, FS-A1GT)を使っていたので、キータッチの感じが似てますね。

年代物なので、端子の腐食やホコリなど、汚れがそこそこある状態でした。

アダプタもなく動作確認できないので、早速開けてみます。

裏にある4つのネジを外します。

上側を外しました。隙間から入ったホコリがすごい・・

キーボードはFPCとも違う、透明フィルム状のケーブルでメインボードとつながっていました。

キーボードを取り外した状態がこちら。クリックすると高解像度で表示できます。(ホコリで汚いので閲覧注意)

パッと見た感じ、コンデンサの膨張とか液漏れとかは確認されませんでした。比較的良い状態のジャンクだったのかもしれません。


主要チップの拡大写真はこちら。まずは心臓部のZ80(CPU)と64KBのメインメモリ。

Z80にはROHM製のBU18400Aが使われていました。ロームもZ80作ってたんですね。メインメモリはNEC製DRAMのuPD41464C-12(64k×4bit)が2つのようです。

Z80 とか M RAMとか親切にシルクに書いてあるのが昔の基板という感じですね。


こちらはヒートシンクでラベルが見えないですが、もう1つの心臓部のVDP (V9938) と 128KBのVRAMです。VRAMには富士通のDRAMのMB81464-12 (64k×4bit)が4つ使われていました。

VDPはDIPですがピンのピッチが狭いですね。SDIPというようです。

メインメモリもVRAMも同じ(64k×4bit)なのに違うチップを使ってるんですね。末尾も両方 -12 なので、アクセスタイム 120ns で同じみたいですが特性に違いがあるのでしょうか。


こちらはBIOSなどが書かれているROMです。

MEIって三菱電機?データシートはわからなかったのですが、DA1024 なので1Mbit ROM(128KB)と思われます。28pin DIPなので、この時代では一般的だったOTP ROMと思います。


部品面の最後はインパクトがあるハイブリッドIC BX7396WBです。映像用のアンプ、コンポジット変換、音声用のアンプなどの機能を担っています。

MSXを修理しているブログ等を見ると、映像がおかしいときはこの辺のコンデンサを交換したりしているようです。ここもよく見ましたが、液漏れのような形跡はありませんでした。

半田面はこんな感じです。(クリックで拡大)

片面実装のプリント基板の上にパターンを印刷?接着?することで2層基板にしているようです。面白いですね。私はこういう基板は初めて見ました。

あとはフラックス?ヤニ?が洗浄されていないのも驚きました。ハンダ面全体がフラックスでベトベト(乾燥しているので実際はカチカチですが)していてすごかったです。特に左下の狭ピッチのチップ周辺がひどかったですね。


その狭ピッチのLSIの拡大写真がこちら。

左上がYAMAHA製のS1985です。MSX SYSTEM IIと呼ばれる、MSXの周辺機器をまとめて1チップにしたLSIですね。MSXのロゴとMICROSOFT, アスキーのロゴも入っています。このチップに、PSG音源(AY-3-8910相当)、キーボードコントローラ/プリンタポート(8255のようなもの?)、メモリマッパーコントローラが入っているようです。確かに MSX SYSTEM と呼ばれるだけありますね。Z80+VDPにこのMSX SYSTEMがあればMSXが作れそうです。

右下は三菱製のゲートアレイです。今で言うFPGA,CPLDのご先祖様ですね。ロジックICで構築するにはちょっと複雑な回路を自由に焼きこむことができるチップです。回路図を読む感じでは、DRAMコントローラと内蔵ROM用のアドレスデコーダに使われているようです。


ちょっと長くなってきたので今日はここまで。

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