Kobo用開発環境の構築

某所で要望があったのと備忘録も兼ねて、Kobo の開発環境の構築方法をまとめました。

簡単にビルドできるように半自動ビルドスクリプトを用意したので Ubuntu の環境さえ用意すれば用意に構築できるようになっています。

Kobo offcial(?) の Kobo-Reader リポジトリをベースに修正を行なっています。修正したリポジトリは github: t-bucchi/Kobo-Reader で公開しています。

■ 必要なもの

Ubuntu 12.10 をインストールした環境が必要です。32bit, 64bit で確認しています。

おそらく、比較的最近の Ubuntu なら他のバージョンでも問題ないとは思います。

Ubuntu 以外のディストリビューションの場合はビルドスクリプト内で deb パッケージのチェックを行なっているので、その部分をコメントアウトして自前でパッケージを入れてください。

■ 構築手順

Ubuntu がインストールされた PC で作業します。

1. 作業ディレクトリの作成

適当な場所に作業ディレクトリを作成します。ここでは ~/kobo とします。作成後、ディレクトリを移動します。

Qt ライブラリのインストール先を除いて、このディレクトリ以下にだけアクセスします。

$ mkdir ~/kobo
$ cd ~/kobo

2. ビルドスクリプトのダウンロード

以下の URL からビルドスクリプト build.sh をダウンロードし、実行権限を与えます。

$ wget https://petit-noise.net/wp-content/uploads/build.sh
$ chmod +x build.sh

3. Qt インストールディレクトリの作成

Qt は /usr/local/Trolltech 以下にインストールします。

オリジナルの Kobo-Reader のビルド手順では作業ディレクトリ内にインストールするようになっているのですが、スタンドアロンアプリをビルドした時にパスの違いで問題が出たので、Kobo 本体と同じ位置にインストールすることにしました。

# Qt の環境構築に詳しい人で、開発PC上のパスとターゲットのパスが違っても問題ない構築方法をご存じの方は教えてください・・。

root 権限がないと /usr/local/Trolltech ディレクトリは作れないので、事前に作っておきます。

権限は適宜設定してください。ここでは全ユーザに書き込み権限を与えています。

一人で Ubuntu PC を使っている分にはこれで問題ないと思います。

$ sudo mkdir /usr/local/Trolltech
$ sudo chmod a+w /usr/local/Trolltech

補足:

build.sh では安心して使えるように sudo を一切使っていません。

root 権限が必要な操作は手動で行う必要があります。

4. 必要なパッケージのインストール

ビルドに必要なパッケージをインストールします。

$ sudo apt-get install git gettext autoconf libglib2.0-dev libtool build-essential libdbus-1-dev

5. ビルド

./build.sh を実行します。

$ ./build.sh

自動的に toolchain や Kobo-Reader リポジトリをダウンロードし、ビルドを行います。

ダウンロードとビルドには結構な長い時間がかかりますのでご注意ください。PCの性能にもよりますが、数時間というオーダーで時間がかかります。

 

ビルドが成功すると Finished!!! と表示されます。

ビルド時のログが build.log というファイルに保存されますので、エラーが出た場合などには参考にしてください。

 

Kobo glo 用メンテナンスファーム

昨日の kobo Touch 用ファームに引き続き、kobo glo 用も作ってみました。

HWCONFIG と kernel を kobo glo 用に置き換えただけで動いてしまいました。

→ダウンロードはこちら

glo でもメンテナンスファーム起動
glo でもメンテナンスファーム起動

kobo Touch ではホームボタン+電源スイッチの組み合わせでしたが、kobo glo ではライトボタン長押し+電源スイッチの長スライドで起動させることができます。

こちらもヒトバシラーな人大募集です。

バックアップ/リストアだけでなく、Kobo ハッキングのツールとしても使えると思います。これで少しでも独自ファームなどの開発が進めないいなと思ってます。

あと、kobo glo は内蔵 SD として 4GB が載っていますが、実際は 2GB しか使われていません。メンテナンスファームでは fdisk とresize2fs も入れてあります。・・・何が言いたいかわかった人は試してみては? (私はまだ試してませんが・・)

 

次は plugin や独自アプリにでも手を伸ばしてみますかね。

このメンテナンスファームは、2ch の kobo hacking スレの方々の有益な情報を元に作られています。先人たちの苦労と努力に感謝と敬意を表します。ありがとうございました。プロバイダが規制中で書き込めなかったので、こんなところからですいません。

Kobo touch用メンテナンスファームウェア

kobo Touch 用の保守用ファームウェアを作成してみました。

これを使えば裏蓋を開けることなく、内蔵 microSD のバックアップ・リストアやファイル編集などを行うことができます。

ダウンロードと詳しい使い方はこちら

細かい手順はダウンロードページに書いたので、大まかな概要だけ書きます。

kobo Touch では、ホームボタンを押しながら、電源を長スライドさせると外部 microSD から起動させることができます。

これを利用して、メンテナンスファーム起動用の microSD を作り、そこから起動させています。


メンテナンスファームを起動したところ

USBケーブルで PC と接続した状態でメンテナンスファームを起動すると、PCからはネットワークデバイスとして見えるようになります。

認識されれば telnet でログインして kobo を操作することができます。

root でログインできる他、メニュー形式で内蔵 SD のバックアップ・リストアを行う機能も用意しました。

危険なツールですので、使う場合は自己責任でお願いします。ダウンロードページに注意事項なども書いてありますので、よく読んでから使ってください。

自信がない人は実績ができるまでは様子を見ることをお勧めします。

そんな危険なツールを使ってみたい勇敢なヒトバシラーな方、大募集中です。使ってみた方は感想等ご報告いただけるとありがたいです。

今回は kobo Touch 用です。kobo Touch 用がある程度落ち着いたら kobo glo 用も作ろうと思います。

駆け足で書いたので適当な文になってしまった・・・

英辞郎コンバータ for kobo v1.1 リリース

—–12/12/29 追記ここから—–

ダウンロードページを用意しました。

今後はこちらから最新がダウンロードできます。

—–12/12/29 追記ここまで—–

非常に遅くなってしまったのですが、英辞郎コンバータをアップデートしました。

変更点は以下の2つです。

  • 英辞郎のデータによっては一部の単語が登録されないことがある問題を修正
  • ファームを書き換えない方式 (.kobo/dict/dicthtml.zip) に対応

1つめは渡辺真さんに指摘いただいたバグの修正です。特定の単語が入っていると辞書ファイルが小さくなってしまうというバグを直しました。(遅くなってすいません >渡辺さん)

2つ目は、kobo の F/W v2.1.4 以降での新しい方式に対応しました。v2.1.4 以降では、内蔵ドライブの .kobo\dict\ ディレクトリに辞書を置くだけで認識してくれるようになりました。v2.1.3 まではファームウェアを書き換える必要がありましたが、この機能のおかげで、zip ファイルを置くだけで英辞郎が使えるようになります。

v1.1 を起動すると以下のような画面になります。


v1.1 の画面

v1.0 から変わった点は、kobo の F/W version を選択できるようになったことです。

「v2.0.x」 や 「v2.1.1」 を選んだ場合、Kobo.tgz というファイルが作られます。これは今まで同様、ファームを書き換えることで対応する方法です。Kobo を PC につなぐと見える KOBOeReader ドライブの .kobo ディレクトリにコピーし、接続を解除すると自動でアップデートが行われます。
※この方式では元に戻すには「工場出荷に戻す」操作が必要です

「v2.1.4」 を選択すると、dicthtml.zip というファイルで辞書ファイルが作られます。このファイルを .kobo\dict (.koboではないので注意) にコピーすると英英辞書の代わりに英辞郎が使えるようになります。

dicthtml.zip の方式の場合は、ファームをいじらないのでこのファイルを消すだけで元に戻せます。安全ですので、v2.1.4 以降のファームをお使いの方はこちらの方法をお勧めします。

 

またまた駆け足で手抜き説明ですいません。

個人的な事情なのですが引越しをしまして、なかなか時間がとれず対応が遅くなってしまいました。これから少し時間が取れやすくなるのでボチボチいろいろいじっていこうと思います。

kobo glo レビュー

kobo gloが届きました。

本当は昨日届いていたのですが不在で受け取れず、再配達で今日になってしまいました。

kobo glo 買いました
kobo glo買いました

32GB の microSD は付いてませんでした。先着1000名に入れなかったようです。

さっそく、kobo Touch との比較をしてみます。

外観


左がkobo touch、右が kobo glo

並べてみると、画面サイズは同じで、機体は kobo glo の方が縦に少し小さいです。

また、glo ではホームキーがなくなっています。

画面部分を見ると、比べないとわからないくらい若干ですが、kobo gloの方が白地の部分が暗いです。E-inkの個体差か、フロントライトがある分、コントラストが下がったのかもしれません。

また、写真は無いですが、kobo glo の方が若干厚みがあります。

画面パネル

glo は kobo Touch に比べて解像度が高くなりました。肉眼ではよく目を凝らさないとジャギーがわからないくらいです。

上の写真のように touch, glo で同じ大きさの文字になるように設定した状態で拡大写真を撮ってみました。

kobo touch と kobo glo の比較
拡大写真:左 kobo touch, 右 kobo glo

touch (写真左)では、肉眼でもドットやジャギーが見えていたのですが、glo (写真右) ではかなり精細になっています。

小説などの本を読むときに touch よりひと回り小さいフォントでも快適に読めそうです。

フロントライト

フロントライトは予想以上にいいものでした。

kobo Touch, kobo glo ともに、画面の白地は完全な白ではなく、新聞紙のようにグレーです。しかし、フロントライトをつけることで、白地が遥かに白く見えるようになり、かなり読みやすくなります。

いままで部屋で kobo で本を読むとき、部屋の蛍光灯下では画面の暗さのために目が疲れたのですが、これならデスクライト無しに快適に読めそうです。

 

最後はやっぱり・・・


kobo glo むいちゃいました (クリックで拡大 約3.4MB)

買って早々に開けてしまいました。

CPU は i.MX6Solo と言われていたのですが、i.MX507 でした。ちょっと残念。

また、内蔵microSDは今回も交換できるような作りになっています。kobo Touch のロックできるスロットと違い、ただ挿すだけの構造に簡易化されているので、koboを落とすなどの衝撃を加えると抜け落ちてしまいそうです。

また、microSD は 2GB ではなく、4GB でした。

タッチセンサが静電式に変更されたのではないかと噂されていましたが、赤外線式のままのようです。周囲にレンズのようなプラスチックがありますし、zForce と刻印のあるチップが載っていたため、確実でしょう。

 

全体として、高精細化、フロントライト追加はかなり効果的だったと思います。ハード的には十分満足です。

値段も安いですし、Kindle PaperWhite に充分対抗できるハードだと思います。

あとはファームとコンテンツ勝負ですかね。ここはいくらでもアップデートしていけるので、期待してます。