前回の記事で紹介した「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」でインデックスファンドでの資産運用に興味を持ったので、インデックス投資関係の本も読んでみました。
水瀬ケンイチさんの「お金は寝かせて増やしなさい」という本です。筆者の水瀬さんは「梅屋敷のランダムウォーカー」という投資ブログのブロガーで、リーマンショックよりも前の2004年からインデックス投資をされています。そのブログをまとめたもののようです。
一通り読んだ印象としては、主張に対してそう考えた根拠も合わせて書かれており、確固とした投資理論をお持ちなんだなと思いました。投資理論の入門としても勉強になりました。
- 運用商品にはリターンとリスク(将来の不確実さ≒振れ幅)がある。
- 投資の成果は売買タイミングではなく資産配分で決まる
- 資産配分から期待リターンとリスクは計算できる
- 資産配分の方法
- 世界市場ポートフォリオ (全世界の株式市場の縮図に分散投資する。日本:先進国:新興国=1:8:1)
- 有効フロンティア (資産の組み合わせの中で同じリスクに対して最もリターンの高い組み合わせを選択する)
- 資産クラスは国内債権、国内株式、海外株式の3つで資産配分する
- 外国債券は国内債権に対してリターンはあまり変わらないが、為替リスクがありリスクが高い。
- REITや金は株式/債権に比べ市場が小さく、世界経済の成長に乗るには不向き
- 金利が上がったら債権は下がるため、超低金利時代の今は国内債券よりも国債が良い。
- 年に一度リバランスをして、リスクを調整する(目標値に戻す)
- いつの間にかリスクを大きく取りすぎたりするのを防ぐ
- 資産が増える根拠(拠り所)を考える
- 株式市場は人の「豊かになりたい」という欲望が原動力のため、今後も拡大していく
- 長期運用すると大暴落は必ず起こるので、リスク水準をリスク許容度の範囲内に抑えること
- 儲かっているときこそリスク許容度の見直しをするべき
- 積立をやめなければ暴落しても必ず戻る
- リーマンショックの教訓は、株の暴落と、円高の同時発生。為替リスクを取りすぎないように
本書で一番勉強になったのは、「その資産クラスの価値が将来上がる根拠を考えること」でした。なんとなく資産運用の商品を買えば、リスクがあるものの、金利のようにリターンもあると考えていましたが、その根拠は考えたことはありませんでした。資産運用をするときに「リターンの根拠は何か」を考えることの大切さを学びました。
この本で勧めている投資商品は以下です。
- 国内債権(の代わりに日本国債)
- 株式の投資信託 (日本株、海外株、新興国株)
頻繁に売買せず長期運用するにはとても良い教科書になると思いました。私も長期運用が目的ですので、インデックス投資にしようと思います。