PC用スピーカーEdifier R12Uを省電力化しました

緊急事態宣言が発令されてからテレワークが増えてきたこともあり、最近パソコン机を新調しました。今まではダイニングテーブルで仕事をしていたのですが、ダイニングにはエアコンが無いので、夏暑く、冬寒いという厳しい環境だったので、これを機に物置きとなっていたパソコン机を完全模様替えしたのです。

ダイニングには、以前ブログで紹介したBluetoothスピーカーMPDサーバ化したラズパイオーディオがあるのですが、サイズ的に移動できないのでPC用の小型スピーカーを買いました。

過去記事はこちら:

購入したのは EDIFIER ED-R12UBK というスピーカーです。
ヨドバシで試聴できるスピーカーの中で、5000円以下の予算で、手頃な大きさの割に音が良かったのが決め手でした。

ですが、このスピーカー、めっちゃ消費電力食いのアンプだったのです・・・。

背景というか前ふりが長すぎるので、本題だけ見たい人は最後の項目まで読み飛ばしてください。

事の発端 (発煙)

ヨドバシで2500円、Amazonで2300円くらいと十分安いのですが、もっと安く買えないかと探したところ、メルカリで中古が送料込みで千円台前半で売られているじゃないですか!

ということでメルカリで購入しました。

届いたのは比較的キレイな中古でした。で、冒頭の写真です。

中古とは思えないくらいキレイでした。音もこの大きさにしてはそこそこ低音も出てていて満足していました。ここまでは良かったのですが・・・。

音楽を聞き始めて数時間後。突然音楽に「ジュォーーーーー」という嫌な音が混ざってきて、何が起こったかわからないでいると、スピーカーから煙が・・・。

えぇっ!! 発煙!!!?

まさか数時間で壊れるとは・・・。いや、正確にはその後も電源入れれば音は普通に鳴っているので使えるのですが、怖くて使い続けられません。
あと、電源入れているとほんのり温かく、いかにも壊れていそうな雰囲気です。

どれくらい電流流れているのかと恐る恐る調べてみると・・・。

アイドル時で約0.5A!!! USB規格の上限!!!

あー。これはなにかの部品がショートモードで壊れたなと思いました。無音状態のアンプで0.5Aも食うなんて。A級アンプでもあるまいし。

新品で買えば初期不良ということで交換してもらえたんですが、メルカリで買ったのでそういうわけにもいかず・・。安物買いのなんとやらです。(結局、中古が問題ではなかったのですが・・)

ということで、ダメ元で修理してみようと分解してみました。

分解〜修理

まずは前面パネルを外します。スピーカーのコーンと銀色のパーツの隙間に爪を引っ掛けて手前に引っ張ると隙間ができるので、マイナスドライバーを差し込んでグリグリすると外れます。ここは接着剤でくっついていたので、力任せにベリベリ剥がします。

ちなみに、この銀のパーツですが、嵌合がよく、キレイにハマるので接着剤がなくても普通に使う分には取れなさそうです。

銀のパーツが外れたらネジを外せば分解できます。基板が出てきました。

基板の半田面です。結構部品点数が多いですね。フィルタでも組んでいるのでしょうか。
アンプICは PAM8406 というものを使っているようです。
チップ部品はパッと見ですが煙が出たような後はありませんでした。

つづいて部品面です。よく見ると、C005の電解コンデンサがちょっと怪しいです(赤矢印)。少し膨らんでいるのと、上部の被覆が若干縮んでいます。これが発煙した部品でしょう。

ということで、パーツボックスに転がっていた同じ 16V 470uF のコンデンサに交換しました。パターンを追うとこのコンデンサは電源ラインのパスコンらしいです。このコンデンサがショートして大電流が流れていると考えれば、消費電流が高いのも辻褄が合います。

とりあえず音質にダイレクトに関わるコンデンサではなさそう(オーディオマニアが聞いたら怒りそうですが・・)なので、適当なものと交換しました。

いやー、これで直ったでしょ。めでたしめでたし。

と思って再度電流を測ってみると・・・・。

無音でも0.5A!!! まだ減ってない!!!

さらなる調査・・・

これ以上は直せないかも・・と半ば諦めながら、どのあたりが熱を持っているのかを触りながら調べてみました。

上記写真の赤く塗った所近辺がかなり熱くなっていました。長く指で触っていられないくらい。どう考えても異常です。
回路上はスピーカ付近なので出力段っぽいです。アンプICが壊れちゃったのかなぁ。でも、LもRもまんべんなく壊れるかなぁ。

これ以上はなんとも言えないので、PAM8406のデータシートを探してみたところ見つかりました。Diodes社という会社のチップのようです。評価ボードの回路図も参考になりそうです。

また、PAM8406を使ったアンプキットの回路図も見つかりました。

これらのデータシートと回路図を参考に調べてみます。

PAM8406はAB級/D級を切り替えられるという変わったアンプのようです。ED-R12U は MODE ピン(9pin)がプルアップされていたので、D 級として動作しているようです。

熱くなっているアンプ出力からスピーカーまでの回路(Lチャンネルのみ)を回路図にしてみました。

KiCadを使ったので抵抗が見慣れたゲジゲジではなく長方形になってます。違和感。

PAM8406-User-Guide.pdfに載っていた評価ボードの回路図も、アンプキットの回路図も同じようにパスコンみたいなコンデンサが付いていますし、これを見る限り、特に大きな電流が流れるわけではなさそうな気がします。右側のRCのフィルタ(?)は ED-R12U 固有なのでこれが原因なんですかね・・・? 取っちゃえばいいのかな?確かにこの抵抗はめっちゃ熱いのですが。

衝撃の事実が判明

やっぱりアンプICが壊れてるのかな・・・と思いながらも、ふと壊れていないオリジナルはどのくらいの消費電流なんだろうと思い、会社帰りに展示品があるヨドバシまで行って電流を測らせてもらいました。

その結果・・・・

無音でも0.4A!!! これが製品仕様??

自宅で測った 0.5A より少ないですが、展示品はUSBハブにたくさんのスピーカーがタコ足になっていた関係で、ハブから供給できる限界が 0.4A だったのだと思います。

隣りにあったUSBから電源を取るタイプで同じ EDIFIER ブランドのED-R19U の消費電流を測ってみると、こちらはアイドル時 0.0A。大きな音を出すと0.3A程度まで上がるようでした。そうだよね。これくらいが普通だよね。

なんと、私の R12U は壊れていたわけではなく、こういう仕様だったようですなんてこった。

USB規格内とはいえ、衝撃的。ハードは素人ですが、仕様不具合を疑ってしまいます。
スピーカーの電源を切り忘れたらずっと 0.5A 流れ続けるって・・・。発熱的にも電気代的にも怖い・・・。

同じように問題視している人はいないのかググってみたのですが、そういった投稿は見つけられず。問題になってはいないようです。

省電力化してみた

方向性が修理ではなく改善になっていますが、音やサイズは結構気に入っているので普段使いできるように省電力化できないか調べてみます。

で、問題の回路図です。

抵抗が熱くなる(=大電流が流れてる)ってことは、コンデンサが壊れてショートしてるか、周波数が高いかどっちかです。

ん?あれ?もしかして・・・D級ってことはPWM変調されていて周波数が高いのでは?
ハイパスフィルターのカットオフ周波数を低く設定しすぎていて、ほとんどGNDに流れてしまっているのでは?
それならAB級動作にすれば周波数が可聴域まで下がるから電流流れなくなるのでは?

と思って、PAM8406 のMODEをAB級に変更(9PinをGNDに落とす)してみたところ・・・。

アイドル電流 0.0A になった!! やった!!

やりました。普通のアンプとして蘇らせることができました。

結果的にC211というチップコンデンサを外してブリッジさせるだけで対応できました。

ハイパスフィルター部分はおそらく不要になったので取り外してもよいのですが、チップ抵抗を外すのは結構手間がかかるので放置です。

気になる音の方ですが、AB級でもD級でも私には違いが全くわかりませんでした。
本来D級のほうが消費電力が少ないと言われているんですが、今回は逆にAB級にすることで消費電力を抑えることになりました。

電源入れっぱなしだとほんのり温かくなっていた問題も解消して、これで安心して使用できます。よかったよかった。

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